1984年、ブルース・ブリッスンはハイエンド・オーディオ専用インターフェイスケーブルの研究開発から生産までを一貫して行う「Music-Interface-Technologies」社をカリフォルニア州に設立しました。
ブリッスンは従来のオーディオ・ケーブルが「コンポーネントからコンポーネントへ音楽の情報を伝える」ということに関しては、ほとんど欠陥品に近いことに気が付いていました。
オーディオ・ケーブルを回路図で表すと、ただの線となるのが一般的です。しかし、どんなケーブルでもその長さ・太さ・構造に係わらず、等価回路として実際にはL(コイル)、C(キャパシター)、R(抵抗)からなるパッシブ・ネットワークであり、それを用いて表記する方が正確です。
オーディオ・ケーブルはコンポーネントとコンポーネントを結ぶ、ただの線ではありません。電子回路と電子回路を結ぶ、またひとつの独立した電子回路だということを強く深く認識し、積極的に解析しなければならないとブリッスンは考え、そこから全く新しい「インターフェイス・コンセプト」が誕生しました。
オーディオ・ケーブルは、アンプなどのように増幅や、スピーカーのようにエネルギー変換をしません。だからこそ、従来のオーディオの常識では考えられないような新しい理論と独創的な解析が必要です。
オーディオ・ケーブルは次のような問題を抱えています。
ブリッスンはこれらの問題を解決するために、私財の多くを測定器に投じ、利益の多くをまた新たな測定器に投じてきました。今日のMITを築き支えてきたのは業界一の高精度な測定器群と彼の頭脳(理論とその解析法)に他なりません。
MITの第一世代は素材や構造などを追求し、MITの基礎となる「ヴァリレイ構造」によるオーディオ・インターフェイス“MI-330”でした。“MI-330”は発売と同時にその卓越した性能が評判を呼び、ハイエンド・オーディオファイルやハイエンド・メーカー、ジャーナリストたちの標準になりました。
オーディオ界に、さらなるセンセーションを巻き起こしたのは、MITの第二世代とも呼べる「ショットガン・シリーズ」でした。これは芯線の本数が途中で変わるという、奇妙な外観が一躍注目を浴びました。しかしそれはブリッスンの理論を実現した必然の形態だったのです。
第三世代は「CVTカプラー」の登場です。ここに来て、ブリッスンは「パッシブ・ネットワーク」としてのオーディオ・インターフェイスを具体化し始めたのです。
第四世代は世間をアッと言わせた「ターミネーター・テクノロジー」の導入です。この「ターミネーター・テクノロジー」の導入によりMITオーディオ・インターフェイスはブリッスンの理想に大きく近づいたのです。これによりオーディオ・ケーブルは「コンポーネント」であると言うブリッスンの信念が外観からも伺い知れるようになりました。
数年前より、MITは「エフィシェンシー」という概念に基づいて個々のケーブルの「音の違いを数値化する」という画期的な測定技術を研究し開発しました。この画期的な測定技術を用いることにより、自社のみならず他社のケーブルまでをも客観的に再評価することができるようになったのです。この測定結果に基づいて新たに設計されたのが現在のラインナップです。
「音楽信号だけを正しく伝える」ためにMITケーブルは存在します。ブリッスンはこの「コンポーネント」と呼ぶべきオーディオ・ケーブルを「オーディオ・インターフェイス」と命名しました。それは技術用語では「リニア・エレクトリカル・カップリング・ネットワーク」と表現できる「パッシブ・ネットワーク」を持つものです。
「オーディオ・インターフェイス」というコンセプトは、単に線材の純度や構造だけを論じることから、さらにもう一歩も二歩も踏み込んだものなのです。迷信や推察ではなく、科学的根拠により裏付けされたMITは技術と性能の次元が大きく違います。好みによる音づくりではなく、普遍的価値の追求から「オーディオ・インターフェイス」は誕生します。
MITオーディオ・インターフェイスは基本的に以下のテクノロジーのいずれひとつかそれ以上の組み合わせから成っています。各テクノロジーはグレードや長さにより数多くのヴァリエーションがあります。
ヴァリレイ構造というのは「ヴァリアブル・ツイステッド・ストランド・テクノロジー」のことです。このテクノロジーは長さと太さと素材の異なる導線を組み合わせ、自己インダクタンス成分をコントロールし、広帯域に渡りインピーダンスを等しくするための構造です。
伝達速度は音域により異なります。これを一致させるために高域用の導線は低域用より長くなっています。そのため、ケーブルは異なった太さの導線をコンピュータ・シュミレーションにより数学的に決定された間隔にて螺旋状に配置されています。この基本構造はハイエンド・ケーブルの基準とも言えるもので、ブリッスンの所有する特許の中でも最も有名なものです。
ヴァリレイ構造は「リファレンス、ハイエンド・シリーズ」に採用されています。「ショットガン・テクノロジー」はこのヴァリレイ構造を拡張したものです。また、結晶構造が特に優れた芯線を高密度にテフロン被覆することにより、酸化とは無縁で長期に渡って基本性能を維持します。
CVT(Constant-Velocity-Transmission)カプラーの主な目的はトランジェント・レスポンスの改善です。CVTネットワークは高周波帯域に対し一定の遅延特性を持たせ、その位相を低周波帯域の位相に整合します。
これにより位相ズレが原因で発生するノイズが大幅に減少し、トランジェントはシャープでありながらも自然で、定位はさらに明確になります。
ターミネーターとはケーブルの出力側に取り付けられているモジュールです。ターミネーターはケーブルを通過する低周波帯域の信号の時間的遅れをコントロールし、これを高周波帯域に整合させます。
これによりケーブルのダイナミック・レンジと位相精度が飛躍的に向上し、これまで問題だった低音の不鮮明さから解放され、音楽が本来持っているエキサイティングでダイナミックな表現が自然になります。また、定位は明確で音場はクリアーとなり、解像力が高まり、音楽は全体的に焦点のあった直接的で臨場感のある表現が得られます。