可聴帯域外で起きること
例えばオーディオアンプの内部。ノイズをバイパスするためにコンデンサーが多用されています。そのコンデンサーの足(リード線)の長さに神経を注がれているアンプと無頓着なアンプとがあります。ところが、高周波ではこのように無頓着なアンプは存在しません。それは短い足であってもインダクタンス(コイル:L)として意味のある値を持っているから。耳に聴こえない帯域を無視するか無視できないかは、設計者次第です。
高周波ケーブルをLCRとして捉えることに誰も異論を挟まないでしょう。電子工学の教科書には必ずLCRとしての等価回路が記載されて説明されています。実際に高周波ケーブルにはインピーダンスと周波数に対する損失などが明記されており、アンテナ・ケーブルを使う場合は注意を払うでしょう。しかしながらオーディオ・ケーブルについては、アンテナ・ケーブルと違い、いまでも電源コードがスピーカー・ケーブルとして代用されています。
可聴帯域で起きること
本当に可聴帯域では無視できるのでしょうか。
コンデンサーで音が変わる理由は、コンデンサーの値(LCRの合成値)が対周波数とリニアに変化をしないから。足の長さに無頓着な設計者でもご存知のようです。
では、オーディオ・ケーブルでは?
人間の耳がその違いを捕らえられるとしても、銅の純度による特性の違いは、推測の領域。実際に定量化された例はありません。しかしながら、各オーディオ・ケーブルのLCR特性は可聴帯域内でも定量化されます。エムアイティは精密な測定器群とコンピュータを駆使して各社の各ケーブルを解析しました。そこで発見したのがケーブルのLCR特性と音質の相関性。もう、20年以上も前のことです。以後、エムアイティはオーディオに適したLCR特性を有する精密なケーブル開発に取り組んできました。
エムアイティ、箱の中身はLCR
誰も真似の出来ない随一の位相特性を誇る特許ヴァリレイ構造は、オーディオ・ケーブルに飛躍的な進歩をもたらしました。しかしながらその最良のケーブルでさえも、オーディオに適したLCR特性を高いレヴェルで有しているとは言えません。
先述のようにケーブルは紛れもなくLCRネットワーク(LCR等価回路)です。オーディオ用として理想のLCRネットワークを完成させるため、エムアイティは積極的にLCR素子を使うことを考えました。そこで生まれたのが特許ターミネーター・テクノロジーです。
よく誤解されるのが、そのLCR素子の使い方。それはロー・パス、ハイ・パスもしくはバンド・パスフィルターでもありません。LCR素子は信号線に接続されず、信号線と絶縁された専用線に接続されています。信号線は一般のケーブルのように独立して入出力端子へ直付けされています。LCR素子の何処を外したとしても、特定の周波数の音が出なくなるようなことは一切ありません。
マルチポール・ネットワーク・テクノロジー
最初のターミネーター・テクノロジーは低音域のLCR値を補正しました。実際にその効果は絶大で、低音に量と質の両方をもたらしたのです。そして現在は、低音域のみならず各周波数帯毎にLCR素子で補正しています。ハイエンドモデルとローエンドモデルの違いのひとつは、この補正の細かさです。ハイエンドモデル「Oracle V1.1 MA ic」では、実に71箇所にもおよぶ周波数帯域の補正を行っています。
これが特許「マルチポール・ネットワーク・テクノロジー」。何と「Oracle V1.1 MA ic」は1本のケーブルで各周波数の伝達に秀でた71本のケーブルを持つようなものなのです。
ハイブリッド
この補正用LCRの取り付け作業は難を極め、コストの多くを消費しています。エムアイティではこのコストの削減を目指し、3年の月日を掛けて補正用LCRをモジュール化しました。従来、熟練工による手作業で行われてきた工程を簡素化することで、コストの大幅な圧縮に成功したのが新製品「CVT-Terminator-Hybrid」。ハイ・パフォーマンスとロー・コストを見事にハイブリッド化したのです。
「CVT Terminator 1s」は「Magnum M3s」を超える20箇所(M3sは16箇所)の周波数帯域を補正しています。ケーブルはヴァリレイ構造、入力にはCVTカプラーも付いています。「CVT Terminator 1s 2.4m」は169,050円、「Magnum M3s 2.4m」の最終価格は323,400円ですから約半分の価格ながら性能は上回っています。
「CVT-Terminator-Hybrid」は、どのモデルも「CVTカプラー」と「ターミネーター・テクノロジー」を搭載しています。これらにより、素材や構造だけで決して解決できない位相特性やインピーダンス特性など根本的なケーブルの諸問題を改善しています。そして、製造工程のハイブリッド化で劇的なコスト・パフォーマンスを実現しました。
エムアイティのコンセプトはケーブル固有音の排除。「CVT-Terminator-Hybrid」は音楽のエネルギーと空間情報をストレートに送り届けます。


